[東北]ハクサンイチゲ咲く初夏の朳差岳へ1泊2日テント泊登山

北飯豊 朳差岳 東北の山

今年(2021年)の2月に登った時に見た真っ白な朳差岳が忘れられず、雪解けを待って登りに行く時期を伺っていました。なんでも5月下旬から6月上旬くらいには朳差岳付近にハクサンイチゲの群落が咲き誇るという話を聞いてますます行ってみたくなりました。テントを担いで登った朳差岳と頼母木山の記録です。

新潟から奥胎内ヒュッテへ

前日の夜、車を走らせ福島から新潟へ入り、さらに北上して奥胎内ヒュッテを目指します。しかし、自宅からだとかなり遠いな…。深夜2時過ぎくらいに奥胎内ヒュッテの駐車場について仮眠をとりました。

月が見えた。正面には飯豊の稜線

早朝スタート松尾根登山口へ

早朝3:50分に奥胎内ヒュッテをスタート。ヒュッテ前に24時間使える公衆トイレがあるので助かります。松尾根登山口までは途中までは舗装されているので薄暗い道を足早に歩きます。

途中から舗装路ではなくなるが、幅の広い林道を行く

奥胎内ダムを越えると舗装路ではなく砂利道になります。登山口までの乗り合いタクシーはこの時期は無いので、地元の方などは奥胎内ヒュッテから自転車で登山口までアクセスしているようです。

松尾根登山口前の広場みたいなとこ。何台か自転車が止まっている。帰りはもっと多かった

AM4:30 松尾根登山口につきました。ここまでは自転車でも来られるくらいなので、傾斜もゆるやかですがここから本格的な登山道になります。

松尾根登山口から本格的な登山開始

木の根っことロープのある登山道

登山道に入るといきなりの急坂です。地図を見ても等高線の感覚が狭いところを登っていくので結構傾斜も急。足元には木の根っこが張り巡らされていて歩きにくいところも多々あり。

見晴らしの良い「姫子の峰」

40分ほどかけて登っていくと「姫子の峰」という見晴らしの良い場所に出ました。遠く飯豊の稜線もはっきり見えます。

両側は切れ落ちている。

その後も両側が切れ落ちている所があったり、なかなか気の抜けないルートです。

松尾登山口から1時間半ほど登って滝見場というポイントまできました。朝日が稜線から差し込んできてとてもキレイです。

AM6:10 英三ノ峰到着です。標高は940メートル。ここからまだ500メートルの標高差を登っていきます。

標高1000メートルを越えるあたりで雪が出てきました。それほど斜度は無い場所なのでツボ足で登っていきます。

AM6:36 ヒドノ峰到着。ここから登山道と雪上を交互に歩いていく感じになります。

ヒドノ峰を過ぎて少し行くと水場への分岐の標識があります。水場があるようですが、そのまま通過しました。

北飯豊の稜線と残雪

次第に見晴らしがよくなってきて、北飯豊の稜線がはっきりと見えるようになります。残雪と新緑のコントラストが非常に美しいです。

イチジ峰到着

AM 7:10 奥胎内ヒュッテを出発してから3時間を経てイチジ峰まで来ました。テント泊装備で標高差1000メートルくらいを一気に登るので結構大変です。

稜線から雲が湧き出ているよう

大石山まで後少しというところで、稜線から雲が湧き出ている光景に出会いました。

大石山までもう少し

AM7:57 西ノ峰到着。だいぶ暑くてバテてきました。大石山までもう少し。

大石山到着。朳差岳への分岐になっています。

AM8:10 大石山到着

↑の写真標識の右方向へ進むと朳差岳方面になります。ここから朳差岳はまだ結構な距離があります。

目の前に朳差岳

大石山から朳差岳に向かいます。見えてきたのはなだらかな山容のえぶり。4ヶ月ぶりの再会(笑)

朳差岳への稜線はハクサンイチゲのお花畑が随所に

エブリをバックにハクサンイチゲ

稜線を歩いていくといたるところに小さくて白い可憐なハクサンイチゲが咲き誇っています。

後ろに見えるのは二王子岳

大石山から一度下って、登り返すと鉾立峰です。エブリに行くにはここを越えなければならないのですが、疲れた体には堪える登り返しですね。

鉾立峰山頂より。奥に見えるのが朳差岳

鉾立峰への登り返しは本当にキツかったですが、頂上についてみると素晴らしい景色が広がっていました。しかし…ここからまた下って登るのか。

見えてきた朳差岳頂上と避難小屋

だんだんと気温も上がってきて、流れる汗を拭きながら朳差岳頂上へと登っていきます。

えぶり差小屋

AM 10:00 登山開始から約6時間。ようやく朳差小屋までやってきました。頂上まではもう少しです。

頂上直下から朳差小屋方面

小屋から頂上は5分ほど。頂上付近にもハクサンイチゲの群落がありました。青空と残雪が本当に清々しく大変だけど登ってきてよかったという気持ちにさせてくれます。

頂上で一休みしてから、今日の宿泊地である頼母木小屋を目指します。今年2月の厳冬期に泊まったところです。

シラネアオイ

稜線上にはハクサンイチゲ以外のお花も沢山咲いていました。

大石山から頼母木小屋へ向かう途中にもハクサンイチゲの大群落があり、写真ばかり撮っていてなかなか前に進めません(笑)

頼母木小屋とテント場

頼母木小屋でテント泊

AM12:50 頼母木小屋到着

この時期の頼母木小屋には管理人さんがいて、料金を払って小屋前のスペースにテントを張ることが出来ます。この日も沢山の人が小屋やテントに宿泊していました。テント場もキツキツ。

頼母木山から朳差岳方面
日本海を照らす

テントを張ってからはゆっくりと過ごします。夕方、頼母木山へお散歩にいって写真を撮っていました。

日本海に落ちる夕日
頼母木小屋の夕景
明かりが付き始めた街と頼母木小屋テント場
頼母木小屋からの天の川

2日目 奥胎内ヒュッテへ下山

朝焼け。サンピラーのようなのが見えた

2日目は雲の多い空でしたが、朝焼けを見ることが出来ました。

ハクサンイチゲに別れを告げて、頼母木小屋を後にします。

二王子岳を見ながら登山道を下ります
カタクリも咲いていました
松木尾根ルートの一番の核心部はここかも

下りも気が抜けない登山道ですね。いくつか気をつけないと大怪我に繋がりかねない箇所があります。

松木尾根登山口に戻ってきました。止めてある自転車が増えていました。
松木尾根登山口すぐの橋
奥胎内ヒュッテ前

2日目は頼母木小屋を6時に出発して、10時に奥胎内ヒュッテへ戻ってきました。登りはなかなか大変なルートですが、重くてもテント泊で行ってよかったと思います。ゆっくりと飯豊の初夏の美しい風景を堪能できました。

ハクサンイチゲは小屋の管理人さん曰く「年々群落が縮小している」そうです。温暖化の影響で雪が少なくなると熊笹に負けてしまうんだとか…。温暖化の影響がこんなところにもあるんですね。色々考えさせられます。

北飯豊テント泊山旅のまとめ

朳差岳は本当に良い山です。飯豊の一番北にあるのでスルーされている方もいると思いますが、是非一度訪れてみてください。多少荷物は多くなりますが小屋泊かテント泊をおすすめします。僕もまた季節を変えて訪れてみたくなりました。今度は秋がいいかな〜。

良い山旅を!

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