僕は山に登り始めてかれこれ4年近く立ちますが、行くのは関東近郊の低山ばかりで未だに北アルプスのどの山にも行った事がありませんでした。やはり登山をやっているならば一度は「涸沢」という場所に行かねばなるまいと思い、2013年の夏に涸沢にテント泊で行く計画を立てるも、台風による悪天候の影響でやむなく中止。
そして翌年の2014年9月下旬に丁度休みがとれそうだったので前年断念した涸沢行きを再度計画。無事「さわやか信州号」のバスチケットも取れ、2014年の9月26日〜28日まで2泊3日の行程で紅葉が見頃の涸沢と奥穂高岳に行ってきました。
秋の上高地へ – 前夜
新宿から「さわやか信州号」で出発
2014年9月26日
地元茨城から電車を乗り継いで夜の新宿へ。テント泊装備なのでかなり大きな荷物を担いでいて人目につくのでちょっと恥ずかしいですw

荷物を担いで新宿駅の東口からバスターミナル近辺へ行ってみると、同じように大きなザックをもった登山客とおぼしき人がちらほらといました。
乗り場は26番乗り場からのようでした。さわやか信州号のチケットは紙に印刷しなくても、スマートフォンでWeb画面を見せればOK。荷物を預けてバスに乗り込みます。
行きはグリーンカーではなく節約してスタンダード (帰りはグリーンカーにしました)。隣の人がすごく太った大きな人だったのでかなり窮屈でした。出発して高速に入ったら寝ようと思ったのですが、車のライトと音と、人の話し声とでなかなか寝られず。
うつらうつらとしていたと思ったら、バスが止まり運転手さんの声がして….どうやら高速のサービスエリアに着いたようです。運転手さんから10分後に出発しますとアナウンスがあり、各々トイレや売店へ。う〜ん、バスの中でゆっくり寝るというのは「スタンダード」では難しいですね。寝たい人はグリーンカーをおすすめします。
そんな感じでバスに揺られながら時々ちょっとうとうとしたり、目が覚めたりを繰り返しながらも定刻より少しだけ遅れて18時前には上高地バスターミナルに着きました。

上高地から紅葉最盛期の涸沢を目指して登山開始
秋の上高地は登山客で大にぎわい
バスターミナルには登山客が大勢いました。ある人はストレッチをしていたり、またある人は装備のチェックをしていたり、おにぎりを食べていたり…それぞれこれから出発するための準備をしています。僕も登山届けを出してから、前日にコンビニで買っておいたおにぎりを食べて腹ごしらえをします。トイレにもいって準備完了。
「よし行くか!」
朝6時少し過ぎに上高地バスターミナルを出発しました。
上高地バスターミナルを出発
– 6:05 上高地バスターミナル出発
暫く歩いて行くと有名な河童橋がありました。記念撮影している人が何人もいました。

河童橋を過ぎてキャンプ場がある場所を越えどんどん進んで行きます。しばらく行くと紅葉が始まり出した美しい撮影スポットがあって、何人かの方が撮影していました。自分も愛機のK-5を出して写真を撮ります。

まだ日が登ってこないので少し光量が足りなかったですが、木々の葉も少し色づいていて非常に奇麗でした。
上高地バスターミナルから40分で明神到着
– 6:45 明神到着


コースタイムより少し早く明神に到着。まだ疲れは全然無かったので少しだけ周囲の風景を撮影してすぐに出発しました。
明神を過ぎたあたりからそれまで曇っていた空が晴れて来て素晴らしい景色を拝む事ができました。真ん中奥に映っているのが屏風の頭ですかね?

秋の訪れ 紅葉が始まりだした徳沢
– 7:35 徳沢到着
コースタイムより若干早く徳沢到着です。ここまではなかなか良いペースです。荷物を下ろして少し休憩をとります。あたりを見回すと上高地周辺より木々の葉が色付いているような気がしました。少しだけ紅葉が始まっている状態でした。

徳沢ロッジの前にはキャンプ場があり、何張りかテントがありました。「なるほど、時間に余裕があればここで一泊していくという選択肢もあったな〜。」そんな事を考えながら横尾に向けて出発です。
晴天に映える紅葉が美しい横尾で休憩
– 8:47 横尾到着
ほぼコースタイム通りで横尾に到着。ここまで来ると日がだいぶ登って来て気温もかなり高くなってきました。この日は快晴で気温もかなり高く汗が吹き出します。

徳沢や横尾はdocomoの電波が入りました。携帯で撮った写真をtwitterにアップ。横尾大橋で記念撮影している方も沢山いらっしゃいました。

横尾でしばらく休憩し、トイレを済ませてから出発します。ここまではほぼ平坦な道でしたが、ここからが本番と聞いていたので気合いを入れて橋を渡ります。
涸沢までの本格的な登山は横尾から
本格的な山道に
上高地から横尾までは梓川沿いに歩いていくのでほぼ平坦です。多少凸凹はありますが小学生でも歩けるくらいの安全なハイキングルートです。涸沢まで行く人にとってはウォーミングアップ的な感じですね。横尾を過ぎてからしだいに道幅も狭くなり、ここからが本格的な山道になります。左手には有名な屏風岩が紅葉した木々の色を纏って美しく佇んでいました。


横尾から涸沢までの休憩ならここ!清流と紅葉が綺麗な本谷橋
– 10:05 本谷橋到着
汗だくになりながら山道を登り、ようやく本谷橋に辿り着く頃にはかなり疲れていました。しかし、そんな疲れもここの清流の流れと紅葉した美しい景色を見ると吹き飛びます(笑)



橋を渡った先の川原の石にこしかけ昼飯用に残しておいたおにぎりを食べます。本谷橋の川原は休憩スポットとして多くの人が食事をとったり、記念撮影をしたりしていました。景色も素晴らしいのでお昼ご飯食べるならここが良いですね。
本谷橋で少し長めに休憩をとってから出発です。涸沢まではここから約2時間。
涸沢が見えてからが本当にきつくて長い
標高が高いとはいえこの日は快晴で気温も高く汗が滴り落ちます。疲労も蓄積してきて一歩足を踏み出すのが重くなってきました。息を切らせながらゆっくりと登って行くと遥か遠くに奥穂高岳とザイテングラードが見えてきました。

さらに登って行くと涸沢小屋の旗が見えてきます。しかし、見えているのに遠い….。疲労と、肩に食い込む荷物の重さとで一歩が前に出ません。
しかし、涸沢の少し手前の景色は素晴らしく紅葉で色付いた木々が鮮やかなグラデーションを見せてくれます。

ついに涸沢に到着
– 12:42 涸沢到着
ここからは気力で登りました。息をきらせながら、一歩一歩登って行き…そしてついに涸沢に到着
そこは鮮やかな色彩の紅葉が待っていた

目標としていた13時前になんとか着きました。いや〜、ホント疲れた。もう登りたくない(苦笑)
涸沢はナナカマドが真っ赤に色付き、想像以上に綺麗な紅葉を見せてくれました。写真でしか見た事のなかった憧れの風景。この景色が見たかった!
早速テントを貼る場所を探します。この日は金曜日でまだそれほどテントの数も多く無かったので、良い場所を確保することができました。設営の受付を済ませ札を貰います。同時にテントの下に敷くパネルも借りました。涸沢のテント場はごつごつした岩場なので、このパネルがあるのとないのでは大違いです。お金はかかりますがパネルが残っていたら絶対に借りた方良いです。快適に過ごせます。

借りて来たパネルを下に敷き、ダンロップVS20を設営してからテント内で仮眠しようと横になります。気がついたら15時過ぎまで寝てしまっていました。

涸沢も到着した1時すぎは強烈な日差しが照りつけとても暑かったのですが、夕方になって太陽が山の影に入るといっきに冷えてきます。17時くらいに夕食を作り食べ、疲れていたので19時くらいには寝袋に入り早めに寝てしまいました。
上高地から涸沢までの1日目まとめ
涸沢へは余裕を持ったスケジュールで行くようにした方が良いです。横尾まではほぼ平坦な道が続きますが、横尾を過ぎると道が狭くなるので、夜行バスで来た人は団体客が登ってくるより先に横尾を通過できるとベストです。できれば13時までに涸沢に着けるとテント場の空きもあって良い場所を選べると思います。初めての涸沢までの道でしたが、入念な下調べとスケジュールによりソロ山行でも問題なく登る事ができました。
明日はいよいよ奥穂高岳への登山です。
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