予約をして発売日にゲットしていたのものの、なかなか外に持ち出せずにいたXF16-80mm F4 R OISですが……。10月9日〜10日と新潟県の巻機山に小屋泊して、2日間登山で使ってみたのでレビューしてみたいと思います。尚、記事中の写真は全てXF16-80mmとX-T3で撮影しています。
軽くコンパクトで登山やアウトドア向き
これまで登山ではXF10-24mmF4 R OISを使っていました。ですが、実際に使っているとあと一歩寄れなかったり、防塵防滴ではないので天候の悪い時にザック内に閉まってしまっていてシャッターチャンスを逃してしまったという事が度々ありました。
その点XF16-80mmF4 R OIS WRは35ミリ換算で24-122mm相当の画角をカバーしてくれているので、被写体に近寄れない場合でもズームして切り取る事が出来ます。さらには防塵防滴でアウトドアや登山で使うにはもってこいです。軽くてコンパクトな大きさも登山に適しています。
登山をしていると稜線やピークから見える他の山を写したい場面があります。これまでのXF10-24mmでは広角的に風景を写すことはできても、向かいの山を大きく切り取ったり遠くの小さな山をアップで写したいシーンではそれが出来なくてもどかしく思いました。そんな場面でもXF16-80mmなら80mm(35ミリ換算122mm)までズーム出来るので、登山における撮影可能なシーンが格段に増えます。軽くて防塵防滴で広い画角をカバー出来るため、発売前から「絶対に買おう」と思っていました。
上に掲載の写真はテレ端の80mmで谷川岳の横からかすかに見える遠くの富士山を捉えたものです。巻機山から肉眼で見ると富士山はかなり小さく、広角で撮影したのでは点のようにしか映りません。しかし80mmで撮影することにより富士山のシルエットをはっきりと写す事が出来ました。
向かいに見える山肌を切り取ったものです。50mm前後の画角も登山の撮影で良く使うので、16-80mmまで使えるこのレンズはより幅広い画角を選択できて余裕がある感じです。風景の切り取り方が増え、撮影していても非常に楽しく思えました。
強力な6段手ブレ補正により手持ち撮影での守備範囲が広がる
登山ではご来光や夕焼けなど薄暗いシーンで撮影する事が多くあります。そう言った場面でも6段の手ぶれ補正が搭載されているXF16-80mmは非常に使い勝手が良いです。自分が実験した限りでは広角の16mmではシャッタースピード1秒くらいまで、テレ端の80mmでは1/3秒くらいまでなら手持ちでも撮影出来そうでした。以下は夕方や日の出時に実際に手持ち撮影した写真です。
F4通しという事もあって、そこまで明るいレンズという訳ではありませんが、パンフォーカスで撮ることの多い登山時の撮影ではF4という値はそれほどデメリットにはなりません。(星を撮るなら話は別ですが…)
前述したように、強力な手ぶれ補正のお陰で普段なら三脚で撮影しないとブレてしまうようなシーンでもしっかりと写ってくれる頼もしいレンズと言えます。今回の巻機山へは三脚も持って行きましたが、実際に使ったのは太陽が登る前の黎明の時間帯だけでした。
望遠域での描写も予想よりも良好
発売前に少し気になっていた望遠域の描写ですが思ったよりも良好です。ただし単焦点レンズほどのシャープさや解像感には及ばないのは言うまでもありません。あくまで「便利ズーム」としてはそこそこの写りといったところでしょうか。
山肌の質感も綺麗に描写してくれています。ズームレンズとしての利便性を考えるとなかなかでは?
逆光耐性はそこまで良くは無い?
山岳写真では太陽を画面内に入れて撮ることも多いですが、逆光耐性は特段に優れているというワケではなく中の下でしょうか…。実際に日の出の太陽を入れた構図で撮影していると、盛大にフレアやゴーストが発生する事が度々ありました。角度を変えたりハレ切りするなど対策が必要です。角度によっては出ない時もあるので、この辺はまだまだ実験してみる必要がありそうです。
Xマウント持ちで登山やる人にはかなりおすすめ!
XF16-80mmは間違いなく「買って良かった」と思ったレンズです。登山をやっていてXマウントのカメラを使っている方なら買って損はありません。僕もまだまだ使いこなしているとは言えないので、今後もどんどん登山やアウトドアに持ち出してXF16-80mmで撮影をして行きたいと思います。このレンズはマイナス10度の耐低温構造なので今年は冬山にも持って行ってみようと思います。
少しでも購入を検討している方の参考になれば幸いです。
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